今回はカラオケ上達のためには避けては通れない、ミックスボイスに関して記載していきます。
高い声も難なく歌えるミックスボイスについて理解を深めるためには、発声原理や声の種類、考え方等、基本的な部分から理解していく必要がありますので、順を追って説明していきます。
かなり長くなってしまいましたが、よかったらご参考ください。
ミックスボイスとは?
ミックスボイスの発声原理については何個か説がありますのでご注意ください。
あくまでも当方がいろいろ調べてみて自分の感覚も踏まえて納得した説で解説しております。
ミックスボイスの定義
そもそもミックスボイスとは何なのか?についてですが、国や人によって定義が違っており、2種類の考え方があります。
- チェストボイス(地声)・ミドルボイス・ヘッドボイス(裏声)という発声方法の違う3種類の声を、一本の声のように繋げて使いこなすこと
- ミドルボイス自体のこと
当サイトでは後者の、ミドルボイス自体をミックスボイスとも言う!という定義で説明します。
ミックスボイスはどんな声?
ミックスボイス(=ミドルボイス 以降ミックスボイスとだけ記載します)は、地声と裏声の中間の声と表現されることが多いです。
というのは、地声のように太い声に聞こえるけど、裏声のように高い声がでるからです。
歌手のほとんどの方はミックスボイスを使いこなしています。
歌が上手い人って、話している声と歌っている声が違ったりしますよね?私もあれ不思議だなーと思ってました。
・歌声⇒ミックスボイス
だから歌う時には声が変わるんですね。
ミックスボイスはこんな人にオススメ
間違った発声で歌を歌っている方は非常に多いです。
私もそうでした。
カラオケは本人が楽しければいいと思いますので、発声が悪いことが必ずしも悪いわけではないと私は思っています。
しかし、私の場合はそれなりに上手く歌えないと自己満足できないし、高い声が出ないと苦しいし、声もすぐ枯れるしで楽しめないため、歌が上手くなりたい!と思いました。
そして、そのためには、まずは発声方法を変えなければいけないと考えました。
私の場合は、地声で高い声を出そうとして、喉を閉めて力んでしまっているパターンでしたが、このパターンは男性で1番多い発声です。
カラオケに行った時、以下のような経験があればその可能性が高いと思います。
そして、こんな人はミックボイスを習得すれば、世界が変わりますよ。
- 高い声が出せないからいつもキーを♭2や♭3に下げて歌っている。又は1オクターブ下で歌っている。
- 曲の後半になると疲れてきて更に高い声が出なくなる。
- 高い声を出そうとすると声が裏返ってしまう。
- カラオケが終わると声が枯れてしまっている。
- 高い声が出しやすい母音と出しにくい母音がある
地声で高い声を出そうとしても、地声で出せる音の高さはだいたい決まっており、それでも出そうと力んでしまい、声帯を傷めている状態です。
地声でとにかく叫ぶというのは気持ちいいんですけどね。わかります。
でもフリータイムで長時間楽しみたい場合には向いていないです。
声が出るしくみ
人が発声するときにどのような原理で音が発生しているのかという大まかな説明です。
分かりやすいようにデフォルメしていますが、なんとなくでいいので理解しましょう。
喉にある声帯という弁のような物が振動することで、人は声を発することが出来ます。
この声帯の間を息が通ると声帯が振動します。
唇を閉じた状態で息を出すと「ブルブルブルブル」ってなりますよね?イメージはそんな感じです。
ちなみに、声帯は簡単に書くと下図のような2層構造になっています。
声帯は本体となる「声唇」とそれを覆うように形成される「粘膜」により構成されています。
主な発声方法であるチェストボイス(地声)、ミックスボイス、ヘッドボイス・ファルセット(裏声)は声帯の声唇と粘膜の振動のしかたが違うことにより、違う声を発することができます。
各発声時の声帯の震え方
では、先ほど説明した声唇と粘膜は、各発声でどのような震え方をしているのか?
それぞれ図を用いて説明していきます。
チェストボイスの声帯の震え方
声唇と粘膜が一緒になって、声帯全体が大きく振動します。
ヘッドボイスの声帯の震え方
声帯が閉じた状態で粘膜だけが振動します。声唇も一部振動する場合もあります。
ファルセットの声帯の震え方
声帯が開いた状態で粘膜だけが振動します。
ミックスボイスの声帯の震え方
粘膜が振動しながら、声唇と一緒になって大きく振動します。
ただし、ミックスボイスは人により様々で、10-0ではないので、震え方もいろいろです。ほとんど粘膜が振動しない人もいます。
声の種類と適した音域
各発声方法には、それぞれ特徴と、適した音域があります。
この項目ではチェストボイス、ミックスボイス、ヘッドボイス、ファルセットの4つの発声方法に関して、音源付でご説明します。
チェストボイス(地声)の音域と特徴
ほとんどの方が普通に話すときの声ですが、女性ではチェストボイスを出せない方もいるようです。
声を出しているときに胸に響くことからこの名前が付いたと言われています。
低い音域に適しており、太く力強い声をだせます。
ただし、声帯全体が大きく振動して音を出しているため、高音は物理的に出せません。ギターで言うと太い弦を使って音をだしているイメージです。
ヘッドボイス(強い裏声)の音域と特徴
頭から抜けるようなキンキンした声です。
安田大サーカスのクロちゃんのような声です。
細い弦を使用して音を出しているイメージですので、高音域を出すことができます。
ファルセット(裏声)の音域と特徴
ヘッドボイスに息の音が混ざっているような力の無いやさしい声。
こちらも細い弦を使用して音を出しているイメージですので高音域を出せますが、か細い声なので歌のメインで使われることは少ないです(歌う歌にもよりますが・・・)
ミックスボイスの音域と特徴
私の場合はチェストボイスとヘッドボイスの中間のような声ですが、これは人それぞれです。
B’zの稲葉さんのようにすごく力強いミックスボイスの方もいれば、さだまさしさんのように優しいミックスボイスの方もいます。
塩梅次第で様々な音色をだせるのがミックスボイスです。
地声のように聞こえますが高い音域まで発声することができます。
よって、中低音から高音域まで非常に広い音域を出すことができます。
地声のような高音を出すことができますので、カラオケ上達の上では習得しておきたい発声です。
ちなみに初めから発声できる天然ミックスと呼ばれる人(特に女性に多いらしい)もいますが、特に男性では意図的に練習しないと習得できない人がほとんどです。とにかく感覚をつかむまでが難しい・・・
ミックスボイスの発声原理
ここからはミックスボイスの発声原理に関してもう少し詳しく説明していきます。
チェストボイスやヘッドボイス、ファルセットの発声は比較的簡単に出来る人が多いですが、ミックスボイスは練習して習得しないと出せない方が多いです。
そのためミックスボイス習得のために試行錯誤している方が多いのも実情だと思います。
ただ、最初からミックスボイスができている人(通称天然ミックス又は天然ミドル)もいます。
ミックスボイスは地声?裏声?
まず、よく議論されている、「ミックスボイスは地声なのか裏声なのか?」についてですが、私は裏声だと思っています。
地声と裏声という言葉はすごく曖昧な表現ですが、あえて切り分けるとしたら、私なら
- 地声→チェストボイス
- 裏声→ミックスボイス/ヘッドボイス/ファルセット
と分けます。
実際発声しているときに地声と裏声の感覚が違うのはたぶんみなさん同じと思いますが、私的にはミックスボイスは裏声(ファルセットとか)を出している時と感覚が似ているためです。
ミックスボイスで高音を出せる理由
ミックスボイスが高音を出せるカラクリは、チェストボイスとの音程の取り方の違いです。
一概にはいえませんが、私や多くの高音が出ない男性の場合、チェストボイス発声時には、声帯を締め付ける強さや振動する面積を変えることで声の高さを変えるていると考えられます。
一方、ミックスボイス/ヘッドボイス/ファルセットは主に声帯を伸ばす(輪状甲状筋を使う)ことで声の高さをかえます。
前者では声の高さに限界がありますし、自在に音程を操るのが比較的難しいのがイメージできます。
更には高い声を出そうとしたときに声帯を強く締め付けることで、声帯を傷める(声が枯れる)原因にもなります。
一方、声帯を伸ばして声の高さを変える場合は、主に伸ばす量でのコントロールですので、安定しますし、高い声も出すことができます。
裏声からのミックスボイスの出し方や感覚
ミックスボイスを習得すべく、「ミックスボイスの出し方」について私がいろいろ調べていたときに思ったのは、
- 「声帯が振動してるとか知らんわ!」
- 「まず 声帯の閉じ方がさっぱりわからんッ!!」
- 「サイトによってミックスボイスの出し方の説明が違う!どれが正しいんだよッ!」
って感じでした。
でも声帯は喉の中にあるので目には見えないし、それを閉じたり開いたりを普段無意識に行っているのですからわからないのは当然だと思います。
プロの方でもそこまで正確に声帯をコントロールできる人は少ないですし、なんとなく声帯をコントロールする感覚が分かるだけでミックスボイスを出すことは出来ますので心配いりません。
その出し方や感覚、コツを私なりにまとめましたのでご参考ください。
この「出し方」も私の感覚ですので当然これを見ているあなたに当てはまるとは限りません。
他のサイトも参考にして、自分が「この方法ならいけそう!」という方法を見つけてみて頂ければと思います。
では、ミックスボイスのましゅー流出し方を解説します。
出している感覚が裏声ですから、裏声(ヘッドボイスやファルセット)からミックスボイスへのアプローチになります。
出し方①弱い裏声を出す
既にヘッドボイスが出せる方は②から読んでください。
出せない方は、まずは弱い裏声であるファルセットから出しましょう。
まずは自分の中でちょっと高いかなくらいの音程で、ファルセットで「あ~」と出します。
個人的にはミックスボイスは「あ」行が一番出しやすく、「お」行が一番出しにくいです。
ファルセットは息がもれる音が混ざった高い声です。
出し方②ヘッドボイスに切り替える
息交じりの裏声から、クロちゃんのようなキンキンした裏声に切り替えます。
つまり、声帯を閉じます。
ファルセットよりヘッドボイスの方が出しやすいのであれば、最初からヘッドボイスでも構いません。
声帯を閉じれない方は、まず舌の奥(のどちんこの下らへん)をグッと上げて息(声)の出口をふさいでみ ましょう。
でもそれでは声は外にでてきません。
その閉じる感覚をさらに喉奥のちょっと下の方で行うイメージです。
そうすると今度は声帯が閉じて声に芯が出て、息が漏れる音もなくなります。それがヘッドボイスです。
ちなみに、声帯を閉じる感覚をつかむための練習法として、「エッヂボイス」というのも効果的です。
エッヂボイスは声帯が強くしまった状態なので、その感覚をイメージして裏声をだすとヘッドボイスが出しやすいですよ。
出し方③「閉じてる部分」を更に下に持っていく感覚
結果として喉を開いていくことになります。
喉を開くという言葉はミックスボイスについて調べているとよく目にします。
「喉仏を下げる」とも言われます。
ですが、個人的には下げすぎても声が出せなくなりますので、ヘッドボイスを出すために閉じた声帯をさらに下に「ス~」っと少し落とし込むくらいの感覚がちょうどいい気がします。
閉める場所が高い(鼻に近い)位置だと、志村けんのモノマネや千と千尋の神隠しに出てくるカエルのような声になってしまいます。
その事を「ハイラリ」と呼ぶようです。
出し方④声帯を少しだけ緩ませる
最後に少しだけ声帯をリラックスさせて声唇も振動させることで、地声感を出します。
緩ませ過ぎると閉じていた声帯が開いて振り出しに戻ってしまうので、やりすぎはNGです。
これでミックスボイスの完成です。
出し方④ミックスボイスで歌って慣れる
出せるようになってばかりの時は、弱々しいミックスボイスのはずです。
あとは慣れることが大事ですので、そのミックスボイスを使ってカラオケでたくさん歌いましょう。
最初は裏声みたいだし、弱いし、気持ちよくありませんが、次第に聞きなれてきますし地声っぽくもなってきます。
気持ちよくないのはすごくわかります。私も最初はそうでした。力んで力任せに高音を叫ぶのになれているので、全然気持ちよくないですよね。
しかし、ミックスボイスで歌うことに慣れてくると、叫ぶ気持ちよさではなく、高音を無理なく歌えていることに快感を覚えてきます。また、良い感じに奏でられてるなという気持ちよさを感じるようになります。
声も楽器だと良く言われますが、まさにこのことなんだと感じました。
ちなみに、ミックスボイスに慣れると、裏声から少しエッジボイス感を取り入れて、喉に引っ掛けるような感覚で出せるようになります。
自分の声を録音しながら練習すると上達速度も上がりますよ。
おまけ鼻腔共鳴で完成度を上げる
鼻腔(びくう)とは鼻と口の間にある空洞部分です。
ここを活用することで声の響きが良くなり、ミックスボイスを強く太くすることができます。
ミックスボイスはできただけではスタート地点に立ったまでです。
ミックスボイスの質を上げていけるよう練習していきましょう。
まとめ
ミックスボイスを習得することで高い声も無理なく出せるようになります。
自分なりの感覚をつかんで、是非いろいろな曲に挑戦してみてください。
少しでもこの記事がミックスボイス習得を志す方のヒントになれば幸いです。
そして、皆さんのカラオケライフがより充実することを願っています。
以上、ましゅーでした。